シャンプーの基礎知識
- 2018.10.3
頭皮ケアはシャンプーを選ぶことからです。
◎シャンプーをする目的
シャンプーをする目的は頭皮や毛髪の表面、毛根を清潔に保つことです。頭皮は皮脂の分泌や発汗部分であり、さらには髪の毛があるために、熱や温度が逃げにくく高温多湿状態になりやすいのです。そのため微生物が繁殖するのに絶好の条件となってしまいます。
少し油断すると菌の繁殖が進み、そのことがフケやカユミの原因を引き起こしているともいわれています。
ではなぜシャンプーというものが必要なのかご存知でしょうか。それは頭皮の表面や毛髪の表面に付着した皮脂や汗などの脂分は水では簡単に落とすことが出来ないからです。
◎シャンプーの泡の正体は界面活性剤
シャンプーには皮脂や汗を落とすのに最低限必要不可欠な量の洗浄成分のみが配合されていれば、それで十分。
よく「このシャンプー泡が立たない・・・」などとあわ立ちの悪さを訴える消費者の方、1回目に泡が立たないのは毛髪や頭皮に付着した脂汚れを洗浄成分が巻き込んでいるからなのです。 シャンプーの泡立ちは気泡といって、分かりやすく言うとシャボン玉の集まりです。中の空気が汚れや皮脂などの脂分にとって変わることで泡ではなくなり、ちょうど2層に分か れたサラダドレッシングをシェークした時の様に油滴に変わってしまいます。ですから、泡立ちが悪く感じるのは汚れが落ちている証拠。
きれいに汚れを落とした後にもう一度2回目のシャンプーをするとしっかり泡立ちます。
ここで一つ覚えておいてください。
よく泡立つシャンプー程、界面活性剤という洗浄成分がたくさん配合されていたり、あるいは微量配合であっても、かなり強力な洗浄力をもった界面活性剤が配合されていることが多い ということを。
◎強力な洗浄力の合成界面活性剤
私たちの日常生活の中で「油汚れを落としたい」というニーズに対して、界面活性剤を使うという行為はもはや避けることが出来ないくらい常識になっています。
例えば、ガスコンロや換気扇の油汚れ、フライパンや食器に付着した油汚れ、そしてメークアップ化粧品、髪の毛の整髪料など、何れも食器用洗剤、キッチン用洗剤、換気扇用、と名を変えて商品化され、そして化粧品用としてはクレンジングという銘柄で、毛髪や頭皮の洗浄用はシャンプーという銘柄ですっかり衆知されています。
これらはすべて洗浄剤という共通のカテゴリーをもっていて、合成界面活性剤を使用していることが大きな特徴なのです。
◎シャンプーの洗浄成分
シャンプーには必ずと言っていいくらい合成界面活性剤が配合されています。合成界面活性剤とは自然界には存在せず、鉱物油や動植物油に化学反応を加えて作られた化学物質です。その性質は、油汚れを包み込み、水中にシャボン玉の様に分散浮遊させる働きをします。ですから、「植物系由来」、「鉱物系由来」「石鹸系」に関係なく合成界面活性剤には違いはないのです。
- シャンプーに配合されている合成界面活性剤のタイプ
- 植物系由来の合成界面活性剤
-
親油部が、ココナッツやアブラヤシなどから採取されるヤシ油やパーム核油、あるいはオリーブ油、大豆油などでできている。
- 鉱物系由来の合成界面活性剤
- 親油部が石油の原油を精製し、ガソリン、灯油、軽油、重油、ナフサ、コールタールなど、利用価値の高い成分を抜き取って最後に残った廃油と呼ばれる安価な油でできている。
- 石鹸系合成界面活性剤
- 親油部、動植物の油脂からなっていて、親水部は必ずナトリウムかカリウムでできている。
- しかしながら界面活性剤というのは、お肌と、へばりついた油汚れの隙間に入り込み、油汚れ自体をお肌から剥がしてしまう化学物質です。 そのため、最近ではお肌や頭皮への界面活性剤自体の浸透や、必要なお肌の脂分まで取り去ってしまうという脱脂力が懸念されるようになりました。
◎必要なのは・・洗浄成分+頭皮ケアー
頭皮を清潔に保つことはとても大切なことですが、それと同時に頭皮の保湿や髪の毛の保湿を保ち、常に健全な状態にしてあげることが最も大切です。 そのため最近では、少し高級な原料を使ってでも「洗浄+頭皮ケアー」のコンセプトに基づいたシャンプーが販売される様になりました。
これらのシャンプーは洗浄成分に石鹸系成分や植物由来の原料を使っていたり、あるいは洗浄力を最小限度におさえて合成されていたりと、洗浄成分に工夫をこらしているタイプ。 また洗浄後の頭皮や毛髪へのダメージを補うために、アミノ酸成分を配合したり、抗酸化力をもった植物系原料を配合したりと、美容成分に工夫をこらしたタイプのものも多種販売される様になりました。
いずれにしましても、ほぼ毎日使用するものなので、どのような洗浄成分や頭皮ケアー成分が配合されているのかを知った上でシャンプーを選ぶことがとても大切です。
上智製薬編集部 2018.10.3
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